産声をあげた子が、今では小学生…なんていう経験を、お子様がいらっしゃる方なら、感じたことがあるのではないでしょうか。長かったですか?短かったですか?
約6年という月日。この「出張ホスト(女性風俗)」というサービスを通して、一人のお客様と6年(2020年現在)という年月を共にするということは、決して多くはないでしょう。しかし、このN様とはもうそれくらいの月日を共にし、私もN様の過去から現在までを知る一人であり、またN様も私が出張ホストとして現在まで駆け抜けてきた道筋を全て知っている方の一人です。
そんなN様にインタビューをさせていただきました。
【出張ホストを利用するきっかけ】
橘 よろしくお願いします。あの、緊張しないように(笑)
N 無理だよ、するよ、緊張(笑)
橘 もうどれくらい経ちましたかね…(スマホをチェック…)今日で、ですね…2121日目ですね。2014年の1月4日ですから…一番最初に会ったのが。僕のお客様の中ではかなり長い方ですが…どうですか、重鎮としての感想は(笑)
N あんまり実感ないですね(笑)
橘 最初、出張ホストを利用しようと思ったきっかけってなんでした?
N まず、自身の離婚と…あと、父親の死ですね。それに、お母さんももう亡くなっているので…で一人っ子です。
橘 そうか…そこからなんだ? じゃあ、 お父さんが亡くなったのが、その出張ホストを利用しようかと思った日の近々だったんだ?ということは、亡くなられたのは、2013年とか?お母さんはもっと前になくなったの?
N 前です。
橘 お母さんも、病気?
N 病気です。
橘 なるほど…でもどうやって知りました?出張ホストって。
N スマホで調べて。
橘 そんな言葉思い浮かばないでしょ(笑)
N あ、テレビで見たんだった!
橘 レンタル彼氏じゃなくて?
N あ、そうかも知れない。
橘 あの頃だと、レンタル彼氏って言葉が流行ったから。
N そうそう、こういうのがあるんだーって知って。それで調べてたどり着いたの(プレシャスのサイトに)
橘 これで少しでも気を紛らわせるかなーって? いっぱい出てきたでしょ?サイトが。
N いや、そんなでもない。それで、プレシャスに当たった感じ。
N様との出会いから、ここ最近までの事が走馬灯のように駆け巡る。
橘 ……ディズニーランドの…舞浜駅にあるチケットセンターの前待ち合わせね(笑)一番最初。
N よく覚えてるねー(笑)
橘 もちろん覚えてるよ。結構、今までのこと覚えてるから。どうだった?本当に来るのかな?って思った?
N うーん…いや…
橘 最近思うのだけども、女性風俗向けのサイトを見ていて、「ここの店、本当にちゃんとしてるのかな…」って思うようなお店ってたくさんあるんだよね。適当にサイト作って立ち上げたみたいな…ページの一番下見たら「無料ホームページ作成」なんて書いてあって、無料サイトそのまま使って適当に作ったような…。(営業届出番号を表記しているか、プライバシーポリシーなどしっかりしているか、等)でもプレシャスは、10年以上の老舗だしサイト自体はちゃんと作ってあったから、心配することはなかったか。(※当時のプレシャスの話題であり、現在は、閉鎖しています)
N ちゃんと、来てくれるんだろうなーって思ってはいたよ。
橘 まあ、メールのやりとりもしっかり出来るしね。
N そこでちゃんと、信頼関係も築けるし。
N様と私は、ディズニーのガチオタ勢で、お互いに年間パスポートを利用して入園をしていた仲でした。
橘 元々、ディズニーは好きだったんでしょ?いつから好きだったの?
N 大好きです。働き始めてからだから…23くらい?
橘 あ、そうか。元々キャストだったもんね。キャストになって好きになったの?元々好きだったの?
N キャストになって色んなことを先輩から教わって、ショーなどを見て、段々好きになっていった感じ。
橘 じゃあ、出張ホストを利用するまでの自分の息抜きじゃないけど、心の支えは…ぼ…某動物の…(笑)いや、ミッキーくらいは書いても大丈夫か(笑)
N ミッキーです(笑)
橘 そうか、2014年?2019年…5年くらい経ったもんね。どうでした?最初使った時。最初利用したのはプレシャスでしょ?
N そう。んー、安心して会えた気がするよ。まったく疑いもしなかった。来ないかも…とか本当に疑うこともなく。
橘 毎月一緒に行っていたよね…ディズニー。10時?閉園か、12時?閉園かのどちらかで。
N 行ってましたねー。ラストまで。
橘 そう考えると、あの頃のディズニーの歴史を一緒に見て来たよね。
N でも本当に、あの頃が一番楽しかったかも知れない。
橘 いやね、俺もあの頃が一番楽しかったの。代表という立場になってしまうと、出来ることも逆に制限されてしまったり、昔はとにかくがむしゃらだった。
N そう、なんかやり尽くした感が…。
橘 もう…
橘・N (顔見合わせ爆笑)
橘 やり尽くしたよなー! もう遊び尽くしたよなーっていうね(笑)
N そう! それくらい楽しかった。
橘 常にカメラ持って写真撮りまくったよなー!ずぶ濡れになりながら(夏の水浴びショー)撮ったよね、ショーをね。壊れちゃったもんなー、カメラ…(笑)
N 暑かったり寒かったりしてね。
橘 ところで、他は利用したことあった?
N 他は…バルトレージュ?
橘 なるほど。結構系統が違うじゃない?プレシャスは、サービスがデート・ヘルスがあって、あまりホストっぽくないというか、街で人気なお兄ちゃん?という感じで。向こう(バルトレージュ)は写真のイメージからも、箱のホストっぽい感じもいたり。指名した子はどういう子だったの?
N 若いし、ホストっぽい感じの子だったかな。格好もそうだったかな。
橘 でも、わざとそっちも呼んでみようかなって思ったわけよね?
N そうそう、そっちも楽しそうかなーって。
橘 煌びやかな感じ、好きだったよね、宝塚とか好きだったもんね(笑)
N (笑)そうです。
橘 それはそれで、普通に楽しんで。
N そうそう、そうです。
橘 他には?
N その他はないかな。
橘 あれだけイケメンが揃っている秘密基地使ってないの?(笑)
N 使えない(笑)自分に自身がない(苦笑)
橘 あー…そういうこ…ん? おんどりゃ、うちの子達(ロイド)やったら、気使わず呼べる言うことなんかい(爆笑)どういうことじゃ!(笑)
N いや、やっぱりそういうところがホストロイドの魅力(笑)
橘 魅力なの!?(笑)いや、けなされてますやん(笑)まあ、でもそういうところなのかも。うちの子達、顔悪いわけでなく、実際会うとイケメンだったりするけども、そういうことよりも、雰囲気があるのかもね(笑)
N 秘密基地は、ちょっと自分と一緒にデートしたりとかは…(汗)あと若い子が多くて…。
橘 イベントで秘密基地の子を見たら、「イケメン多いなー!格好いいなー!」って思ったのだけども、うちのお店に来ても合わないのかなーって感じがしたんだよね(コンセプト・社風など)
N それ、すっごくわかる!
橘 「この子超欲しいなー!」っていう子、何人かいたのだけども、うちに来てもなんか違うのかもなーって感じがしたんだよね。うちの子達って、プロフィールでは「イケメン」って言葉を使っているんだけども、昔でいう「男前・ハンサム」っていう言葉の方が合ってる子が多いんだよね。
前に晴明君っていたじゃない?あの子も綺麗な顔していたけども、イケメンではなくハンサムとかなんだよね。昔の俳優さんでいたような感じで。
そういうのを最近感じた。それがうちの色なんだろうなーって。
【変わりゆく自分】
橘 どう変わった? 実際利用してみて。自分の内面でもいいし。
N やっぱり会う為に、綺麗になりたいなーとか、爪綺麗にしたり、美容院行ったり、モチベーションがすごく上がった。
橘 最初の頃より、全然変わったよね。すごく思った。
N 明るくなったかも知れない。
橘 それ一緒にいる相手(自分)が、喋り倒しで煩いからじゃないの?(笑)
N いやいや(笑)色々あったからだと思う(悲しい過去が)
橘 会う度に変わっていったなってすごく思ったのが、まず見た目と、もう一つはすごく笑うようになっていったよね。笑う数が増えたっていうか。最初に会った時の印象が「どうやったら笑いを取れるかな」っていうくらい暗かった(笑)
N いや、落ち込んでたんだよー(笑)
橘 笑うようになったなーって思ったよね。あと、ツッコミが出来るようになっていったよね(笑)なんかその、僕の…ウィルスに感染したかなって思うくらい、影響受け始めたんだよね(爆笑)
N それは…影響はかなり受けたと思う(笑)
橘 「あれ、こんなに人のボケに突っ込む人だったっけ」って思ったのよね。
N 会わなかったら、人生違ったかもっていうくらい、影響受けたと思う(笑)
橘 笑いの影響受けたよね、きっと。待ち時間とか、最初は静かな時、あったもんね。
N そう、「喋らないね」って言われたもん(笑)
橘 そうだよー!撒き餌(笑いの)しているのに、食いつかないなーって思ったもの(笑)普通、撒き餌したら来るのに、来ないなーって思ったもんね。でも、段々と喋るようになっていったもんね。
N そういう利点があるねー。会う人によって変わって行くと思う。やっぱり楽しくないと。
橘 なるほどね。つまり皆、僕に会うとツッコミが上手になっていくのかも(笑)
それでいいのかね(苦笑)うちのバーベキューイベントとか、Syain Barとか元々参加してみようかなっていうタイプだったっけ?
N いや…どちらかといえば、家にいて「行かなくていいやー」「他の人に会うの面倒?」っていうタイプだったし。
橘 変わったよねー。だって最近は、海外旅行とかして、海の向こうのミッキーさんに会いに行ったりするようになったんでしょ?内面・外面変わったというのは良いことですね。
【誰しも最初は怖い!?】
橘 出張ホストのイメージって…? どんなだった?
N やっぱり初めは怖かった…かも?
橘 そりゃそうだよね。特に、普段家から出ない子が…(笑)
N (笑)なにされるのかな、みたいな(笑)お金ぼったくられるかな?とか。
橘 それの払拭って難しいよね。そもそもこういうものじゃなかったとしても、何かを始めるっていうのは、ちょっとの緊張ってあるわけじゃない?
N あります。
橘 俺も、もう38歳だから世にある遊びっていうのは、一度は試したけども、初めて行ったキャバクラ!とかも、緊張じゃない?笑
N わかる。
橘 あと初めて行った…
橘・
N スナック(爆笑)
橘 もう、スナックなんて入り口に窓もないところ多いからさ。看板に
【スナック・美恵】
とか書いてあって、「入りにくっ!」みたいな。でも入って見ると意外とそれが楽しくて、仲良さげな方々がいて、カウンターで酒灼けしているママさんが「いらっしゃーい!」みたいに元気に出迎えてくれて。とはいえ、最初はやっぱり怖いよね。
N それこそ写真と、別の人が来たら…みたいな(笑)
橘 いや、まんまでしょ!?(自分を指して)
N ほぼまんま(笑)
橘 むしろ、中身の方が詐欺じゃないか!?みたいな(笑)見た目とギャップあるな、って。そこで良い人に当たるといいけど、悪い人に当たると、こういう業界のイメージって悪くなるよね。
ここ数年で、このような「女性風俗」というお仕事に興味を持ち、始めてみたいという男性はとても増えています。決して悪いことではないのですが、お店によっては、しっかりとしたルールや決まりごとがなかったりすると、ホストやセラピスト達の自由営業となり、時には行き過ぎた行動やサービスから、お客様を困らせたり、時には、自身を退店の道へ進ませてしまうこともあります。
【過剰サービス・個々の意識の大切さ】
橘 ツイッターを見ていてね、普段、「横から失礼」、なんてことはしないのだけども、どうしても言っておかなきゃということがあって書いたのね。女性風俗を利用している方のツイートで、とあるセラピストから「会社に終了の電話をしたから、ここからはプライベートだから…」みたいなことを言われたと書いてあって。そこにコメントをする必要はなかったのだけども、やっぱり誰かが言わなければ…と思ったので、書いたのです。
N うん。
橘 それはうちの店なら退店処分です、と。そもそも、お店を通して、そのセラピスト(当店ならロイド)とお客様は出会っているので、プライベートな時間というものは絶対に存在しないのね。そこで例えば、お客様からお小遣いをもらえば、それはもう裏引きと同じ。会社にお金を入れずに、全部プライベートと言って会えば良いだけの話になってしまうから。
N そうだよね。
橘 この業界で出会ったのであれば、それ以上のことはないのだよ、ということを言いたいのだけども。その方は、「彼のお店ではOKなのかも知れないですね」と返信が来たから、まあ、うちのお店のことでもないし「そのお店がOKなら、セラピスト君の提案に乗っちゃいましょう(笑)」なんて返したけども、OKなわけがないのよ。
N その通りよね。
橘 うちは結構、規律やルール、マナーに厳しいから、こういうのは絶対に許されないけども、他店がそれを万が一OKとしてやっていたとしても「怖いな」って感じてしまうのよ。なぜなら、それが初めて女性風俗を利用するお客様だった場合は、「こういうものなんだ?」って思わせてしまう過剰サービスになってしまうから。
N 本当そうだよね。
橘 でも、Nさんは俺とバルトレージュの子だけ指名して、それがたまたま自分にとって良いホストだったから、当たりだったのかも知れないけども、最近はお店が極端に増えて、本当に質が悪い子達が増えているって良く聞くからね。
七年以上、この業界でお仕事をやっていると、感じることがたくさんあります。その中の一つが、お客様の質も変わった、という点でした。
【秘め事だったのが?】
橘 昔と違って、お客様の質も正直変わったと思う。これって、秘め事だったじゃない?
N そうなのよ!!!
橘 表に言うようなことでもなかったじゃない? ツイッターで堂々と宣言するようなことでもなかったというか。
N だから私は前に出たくないの。(イベント参加も基本的には、後ろ向きな考え)
橘 でも、これはこっちの世界(出張ホスト)を利用するお客様の話というよりも、向こうの世界(ヘルス中心の店舗)を利用するお客様が、裏アカウントというのを作って、大っぴらに書くようになって。
N わかる。
橘 女性の性がオープンになったことはすごく良いとは思うのだけども、それが真逆に行ってしまって、そのツイートがあまりにも下品な方向に行っていて。同じ女性がそれを見て、やっぱりドン引きしている人も結構いるって聞いていて。
N みんなすごいよね。「セックスしたい」とか普通に書いていたり、すごく卑猥なことを書いていたり。
橘 「おち◯ぽをごにょごにょ…」と、ストレート過ぎて、ちょっと引いてしまうツイートがあったりするね(汗)
N 私もドン引きしている…
橘 その人にとっては「解放」されているから、とても良い事だとは思うのだけども、本当に何年も前から、こういうのを利用している人からすると、やっぱりちょっと引いている、という女性もいるみたいね。
【出張ホストがなかったら…?】
橘 こういうのがなかったら、どうしていたと思う?この自身の悲しみをどこに発散していたと思う?
N どうしていただろうな…本当に死んでいたかも知れない。すごく辛かったから。…あと、ディズニーか…。
橘 ディズニーはもう住んでいそうなレベルでしょ(笑)そう意味では、僕らは助けになれたんだなって思えるね。でも、これって「利用者側」と「利用してもらっている側」にしかわからない、必要なもの(必要なサービス)なんだよね。全然、利用したことない人からすると、「女性風俗なんて大丈夫なの?」とか、こちら側(接客する側)だと「そんな仕事してるの?」という冷たい目線もあるし。だけど、ここの間にしかわからないことなんだよね。
N そうだね。
橘 呼んでもらう側もこれはとても大事で「必要とされているんだ?」って感じることが出来るんだよね。意外とこの社会で生きていて、必要とされている自分に出会うことってあまりとないと思う。会社で働いていたとしても、大きな枠組みの中の一駒だから、「自分の仕事がどこまで必要なんだ? 会社で俺の立場は必要なのか?」って感じることもあるだろうし。こういう接客業の方が「楽しかったよ」「ありがとう」って言ってもらえるだけで、自分が必要とされている、ってわかるよね。
N 確かに。
橘 だから、自分にとって最後の一人のお客様が卒業するまでは、現役として頑張ろうかなって思っているよ(笑)
【利用してない方に伝えるとしたら?】
出張ホストのご利用方法は様々です。また求められるものも人それぞれです。当店の場合はヒーリングというヘルスコースがありつつも、心と心の繋がり、お客様との奥深いコミュニケーションをとても重要視しているので、デートコースの本当の価値というものにとても力を入れている為、お客様の中でもデートコースの利用がとても多かったりします。そのプラトニックな関係に近い、デートコースでの時間というものは、ヒーリングでのヘルスの時間よりも、さらにお客様の心に真剣に寄り添うことが多くなります。
橘 本当に色んな利用の仕方はあるんだよね。
N 価値観、人それぞれ違うし、出張ホストに求めているものってみんな違うから、一概には言えないかな…。私はきっと心の支えかも知れない。ヘルス(性感)よりも、癒しとか心の支え…。そっちを私は比重が大きい。
橘 色んなパターンが多いんだよね。よくあるのが愚痴を聞いて欲しいと。「ああ、そういうことか」って思ったのだけども、身内に愚痴を聞いてもらうのではなく、自分のことをまったく知らない人に話を聞いてもらうことの大事さっていう話をそのお客様はしていたんだよね。相談に関しても、自分の事を知らないからこそ、冷静に判断してくれて意見をくれ、決定材料になる、みたいな。でも利用方法は人様々で、そういうのもあったり…部屋の掃除する為に呼ばれたり…(笑)結婚式の二次会行った時もあったし…。
N 何でも屋さん(笑)
橘 さすがにトイレのトラブルはなかったけど(笑)心の悩みとか、プラトニックな面で楽しみたい、って思っている人とかって、出張ホストに来てくれることが多いのかもね…。うちのお客様にも、性感は他店を利用していて、当店では長い時間でロイドを呼んでデートコースをしたりする方もいらっしゃるし。普段味わえない快楽を楽しみたい、旦那とは出来ないプレイがしたいとかいう方は、性感マッサージをメインに利用しているかも。
N 私はそれはないんだよね…(ヘルスメインの利用)、ここの店が性感メインだったら、ここまで長く利用してなかったと思う。
橘 心の繋がりがものすごく重要になってくるのも、出張ホストの特徴なのかも知れないね…。一泊したり一緒に長期で旅行行ったりというのも少なくないし、その長い時間一緒にいるっていうのも、よほどその関係性が苦にならない間柄じゃないと長時間いるのもお互いに大変だしね。その中には性的な欲求の解放で何日も一緒にいる、というよりも、その長い時間で心の解放をしている方が、多いのかも知れないね。明確に出張ホストと性感マッサージメインのお店とのサービスの大きな違いにはなってくるのかも。
【利用期間が長いとホストとお客様ではない!?】
私の場合は、出張ホストプレシャス(現在、閉店)の時代から考えるとすでに7年以上の年数を、このお仕事一つでやってきました。
その中には、出会ってから五、六年と月日が経っているお客様もおります。
橘 もう出会ってから2000日以上過ぎているわけだもんね。
N たぶん、恋愛感情とかじゃないんだよね。もうね、長く連れ添った夫婦みたいな感じ(笑)
橘 わかる!(笑)普通の友達でも、五年、六年続いた友達って、意外といなかったりで、長い友達っていったら、すでに2、30年以上続いていて、じゃあ、この歳になって友達を作って、その人と何年も付き合いがあるかって言ったら、音信不通になる人もいたりするし、そこまで業界の歴史が長くない出張ホストとお客様という関係が2000日以上の付き合いってすごいのかもね(笑)
N 色々見て来たしね(新人の頃から今に到るまで)
橘 なんだろうね(笑)せ、戦友!?(爆笑)お互いに辛いことを経験して、会った時に報告して(笑)いつも一緒にいるわけじゃないけども、いなくなったら寂しいよな?っていう感じ? 週一食べるカレーライス? 味噌? でもないけども、いなくなると寂しいなって思う間柄になっているよね。
N そうなんだよね?!
橘 この仕事を始めた時から決めていたのが「友達以上、恋人未満」で接しようって思って仕事してきたから。
N 言ってたね、その話。
橘 そう、それを超えてしまうと自ら大事な関係にヒビを入れることになっちゃうのよね。お互いの大事な関係に。それがお客様にはちゃんと伝わっていて、今では何年ものお付き合いのあるお客様達と、家族みたいな関係になっていったのかな?って思う。少し話は、脱線するんだけど、よく若い子とかの恋愛で「彼と何年経ったから、今では情になっちゃってさ…好きかもわからない、家族みたいになっちゃって…」って別れる子いるじゃない? マイナスに話す人いるじゃない? それが、ゴールなんじゃないの!? って思うんだよね。家族になった感じがするのであれば…と。
N ガールズトークとかよくあるね(笑)
橘 時が経てば経つほど、そういう情が生まれてくるのかもね。ホストと客だから、それ以上のことが繋がらないというわけでもなく、本当に家族のような関係になっていたり、お互いの生活の話や家族の話も知っていたり…俺のお客様はほとんどの方が、うちの母親の名前知っているもんなあ(笑)
N 久美子さん(爆笑)なんか背ちっちゃいんだよね(笑)
橘 そう(笑)まさか自分のこと書かれているとは思わないだろうな(笑)
【長く利用し続けられる理由とは?】
出張ホストというデリバリー型のホストは、1999年からスタートしたと言われております。しかしながら、「女性風俗」として性サービスをメインに特化した店舗が増えたのは、ここ三年ほど。それまでは、我々出張ホストでデート・ヘルスどちらもサービスとして提供している店舗が提供していました。この業界がこのように盛んになる前から利用している方は、今どう感じているのか…。
橘 これだけ長い間利用していると、「一言物申す」ってこともあると思うのね。例えば、年に1度利用して5年経ちました、という方がこの業界を語るのは違うと思うのね。だけど…「気が狂ったように…僕を(爆笑)…呼んでいただきね」
N (爆笑)いや、やっぱり月に何回か会って、何年も会い続けているのは、楽しいからなんじゃない?(笑)
橘 それは、楽しくさせるタイプに当たったからじゃない?(笑)
N たぶんそうよ、長く続く理由の一つって。
橘 これから出張ホストや女性風俗を始めたい子には重要な話だね…楽しませるというか、毎回楽しみを提供するという…。何回かに一度、モノマネのレパートリー増やしてたもんな(笑)
N それが伝わってくるから(爆笑)
橘 (爆笑)いや、貴方モノマネ王座の審査員じゃないから!
N 結局そこよ、楽しませようという気持ちが毎回あるっていう。
【今後、どうなる?利用者からの目線、モラルはあるのか?】
私から見ても、急激にここ三年以内に「性サービス」をメインにした店舗が増え、この業界が知られることになり、利用者が急激に増えております。
そこには、メリットデメリットが存在します。
デメリットをあげるとすれば、少額で始められるビジネスだけに、完全登録料狙いの店舗や、若い子年代のセラピストが増え、TwitterやSNSでのお客様に対する暴言や、マナーやルールの守られてない配信、また、ある店舗では店舗の代表自体が、お客様と言い争いになるという場外乱闘まで発生し、全体的な質の低下をはっきりと感じるようになりました。
橘 今後、この業界はどうなっていくと思う?
N やっぱり、モラル守らないとね…。
橘 この間ね、営業終了ギリギリ、夜中電話が掛かってきたの。「ヒーリングってどういうことをするのですか?」と聞かれたから、ホームページに書かれている通り、アロマトリートメントから前戯を…と説明していたら、途中で溜息みたいなものが聞こえて「どのようなサービスをお求めですか?」と聞いたら、「挿入までお願いしたいのですが」と。申し訳ございませんが、当店では…と言い始めた途端、ブチっと電話を切られ…。心の中では(何イライラして、電話切ってんだよおめーーー!)って頭にきてしまったのだけども、実はこれって当たり前のことだと思うのよね。というのも、男性の風俗は昔からあるけども、女性の風俗は最近出来たから、本当にルールやマナーがわからないという方も多いのが当たり前なのかも知れないのよ。「ダメって書いてあるけど本当は皆に本番営業してるんでしょう?」っていう問い合わせは、しょっちゅう来るし、「あの子はしてくれたのに、貴方はしてくれないなら、向こうを今後指名します」なんて、脅されたりもしてね。それをしっかり断れない子は、その手口にやられて、最終的に潰される、みたいな。
N 結局、そういう人が増えてきたりするよね。
今回は、私のお客様の中でも、かなり長いお付き合いをさせていただいているお客様にインタビューさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
前文にもあったように、現在、Twitterなどで利用者を不快にしてしまうDMを送るセラピストや、利用者同士のマウント争い、オーナーから利用者への攻撃的なツイートなど、関係のないところで多くの方が苛立ったり、傷ついたりしています。一度、冷静になって考えてみてください。本来、自身がなんの為に、「女風」というものを利用し始めたのか、を。なんの為に運営し始めたのかを。
今後、皆様が「女性風俗」を利用して本当に良かった、と思えるような気持ちのまま毎日を過ごせることを祈っております。
第二回 利用者インタビュー「N様の場合」【完】