いつの時代でも、仕事に、対して
「報告、連絡、相談」
いわゆるホウレンソウは大切だと私は考える。
特にこの仕事にとってのホウレンソウは絶対的だ。
理由の一つとしては、この仕事はイレギュラーな事がよく起きる。
例えば、お客様からの急な時間変更で、開始時間が1時間遅くなるとする。
当店の場合、お客様とキャストは直接、システムメールでのやりとりをする為、この2人の間では時間変更されたという認識を共有出来るが、運営側は最初に予約された時間通りに仕事が進められていると認識している為、キャストからの報告がない限り、終了時間に報告がない事は、
「延長、もしくは何か問題が起きた」
当店の場合は全てシステムで組まれているので、各自所有するアカウントで管理画面にログイン後、開始時間が変更された事を修正すれば運営側に自動的に報告が届くが、アナログ式に行なっている店舗からすると、このホウレンソウはとても重要な点とも言える。
以前、当店のキャストで判断を誤った子がいた。
神奈川県のとある地域にヒーリングでの接客で彼はホテルへと向かった。
最初に料金をいただかなかった彼の過失でもあるが、お客様は接客を受けた後に「現金で払えるほど手持ちがない」と彼に伝えた。
この時点で、どういう行動をするか?で、彼の資質も見えてくる。
本来であればまず、運営に連絡をし、状況を説明、電話をお客様に代わっていただき、支払いなどに関する約束を、
運営 対 お客様
という形でやり取りを進めるのが一番正しい流れである。
しかし、彼の場合はお客様の言葉を信じ、独断で判断をしてしまった。
お客様は「のちほど入金するので、口座番号を教えて欲しい」と彼に告げ、キャスト個人の口座番号を聞いた。
この時点でお気づきの方もいると思う。
こういうやり方をするお客様は、常習犯の可能性が高く、以前私が所属していた店舗でも同じ問題が発生しており、いわゆる「あるある」というやつだ。
ここで発生する問題は、運営には何も知らされておらず、入金の時期にキャストは運営に報告をし、対応が後手に回る、という事。
この場合、運営側にしなくてはならない入金分はキャストが負担する事になる。
(理由としては、上記をキャストが偽り、実際はお客様から受け取っているものの、100%自身の取り分にする事が出来るから)
二つ目の問題は、お客様側から何を言われるかわからない、という点だ。
実はこれも、以前所属していた店舗で、他のキャストに起きた問題である。
そのお客様は、「キャスト側から、口座番号を伝えてきて、私に利用料金よりも遥かに高額な入金を迫り、怖くなって逃げた」という理由で支払い拒否を行った。
言った、言ってないという水掛け論が繰り広げられる。
確信犯の場合、運営が目の前にいないという事を理由に、事を有耶無耶にしようとする流れに持っていくのだ。
実は私自身も似たような事をされた事がある。(前店舗所属時の話)
そのお客様は、何度か利用したのち、24時間のコースを入れるようになった。
しかし、最後の一回は、「手持ちがないのでのちに運営に入金する」、と伝えてきた。
その時点で私は運営側に電話をし、事情を説明、運営側は会社口座を伝え、一時的に収拾。
しかし、その後、一切入金をする事はなく、最終的に事務所まで足を運んでいただいたが、その時も支払いをせず、最後まで支払いはなかった。
実際に、運営側にその時点で伝えていても、このような問題は発生する。
支払いに関する問題は、まず、施術を行う前に、お支払いいただく事がベストである。
その理由は二つあり、一つは支払いがない場合は即時に終了、運営に報告、今後の利用についての判断を委ねる、という事で交通費は無駄になりかねないが、いわゆる無銭飲食のような形を避ける事が可能だ。
もう一つは、終了時間と共に支払いをすると、中には、その行動が寂しく感じてしまうお客様もいらっしゃるが、先に支払いを済ませていただく事で、別れの寂しさを軽減出来るからだ。
ここまでは金銭的な話をしてきたが、ホウレンソウが必要な事は他にもたくさんある。
長文になってしまったので、短くもう一つだけ例をあげよう。
当店の場合は、ヒーリング(ヘルスコース)とは別に、デートコースがある。
女風専門店から比べると、このデートコースは非常に安い為、当店のコース利用頻度を比較しても、6対4の割合でデートが多く、また、ヒーリングとデートを複合という形は、7割近くなる。
さて、このデートコースで、お客様がドライブをしたい、という要望をキャストに告げたとする。
当店では
「タクシー、又はお客様が運転をする車両に乗車する時のみ、ドライブを許可する」
としている。
理由は察しがつくと思うが、万が一、キャストが運転中に事故が起きた場合、様々な問題が発生する。
お客様自身が保有する車両を運転していた場合、キャストが修理費用などを負担しなければならなくなったり、お客様側も、気持ち的に今後の利用が萎えてしまう場合がある。
上記のお客様が家庭持ちで、その車両が家族で利用している車両だとしたら、どうだろうか?
どのように家族に、事を伝えなければならないだろうか?
また、キャストやお客様自身も大きな怪我をした場合、家族に連絡がいく場合も想定出来る。
その場合、この仕事を家族にバレたくないキャストや、利用が家族にバレたくないお客様は、解決しなければならない問題に直面する事になる。
その為、どうしてもドライブをしたい、という要望があった場合は、必ずキャストは運営に報告をし、お客様には、「何かあった場合には、運営側に一切の責任を問わない」という事を約束していただいている。
ドライブをご希望の方は、レンタカーに保険をつけて、ドライブするのが一番問題を最小限に抑える事ができるので、ドライブデートはその方法が無難である。
さて、一つあげたらキリはなく、それなら安心して利用する事は出来なくなる、という理由に辿りついてしまうが、極力、問題が起きやすいもの、リスクの高いものに関しては「避ける」というのが当店の理念だ。
このお仕事では、たくさんのイレギュラーが発生する。
即時に、運営への相談、提案を即時に出来るキャストは、運営との信頼関係もしっかりと築く事が出来る。
自身をお客様に売り込む事だけでなく、どのように行動をしたら、運営・お客様から信頼を得て、仕事が安全にしやすくなるかを考える事も、キャストのやるべき仕事の一つである。